2021/10/16 09:39
ワインのテイストと温度の関係
かなり昔々の話になりますが友人から赤ワインを室温で飲んだが美味しくないとの話がありました。詳しく聞くと真夏に日本家屋(畳の部屋に伝統的な木造の家)の中で飲んだと。さらに室温はクーラーもないので、30度前後になっていたと推測されます。
日本は四季が有り、また昔ながらの木と畳と障子で出来た家屋においては極端な話、外気と中の温度はほとんど変わらないと思います。
最近は皆さま、エアコン付きのコンクリートで出来た家にお住まいの方々がほとんどだと思いますが。いわゆる石で出来たヨーロッパの家屋の中での室温と日本とは意味合いが異なります。
欧州の一般的に言われる室温という概念、約15℃前後とは大きく異なります。
一般的にワインは温度が上昇するとアロマは開き、豊かな味となります。また冷えると香りは閉じ、新鮮なアロマになります。また質感と言う意味では、冷たいとワインのボディーは引き締まり、温度が上がるとより柔らかみを感じます。
またフレイヴァーという観点においては温度上昇と共に酸が優しく感じ、甘みをより感じることが出来ます。逆に冷えると甘みが落ち、酸もきつく、場合によっては逆に鮮度を感じるかもしれませんが、いわゆるタンニンの渋みもよりきつく感じると思います。
フルボデイー赤ワインの夏場の飲み方;
セラーに保管していれば13~15°になっており問題ないのですが、ワインの温度が上昇していると感じる場合、氷のシャンパンバケツにボトルを逆さまに入れましょう。つまり栓に近い部分から先に冷やすと言う事です。
特にボディーのあるカベルネ等は少し冷やして飲んだ方が夏場は美味しく味わえます。
また、もし冷え過ぎたと感じてもワイングラスに注いだあと、グラスの中でワインの温度は徐々に上昇します。ゆっくり飲めば、温度上昇による味の微妙な変化も楽しむ事が出来ます。
ただし~25度近くなっている場合はグラスに注いだ後、温度は落ちず美味しくない結果となります。では氷をグラスに入れれば?と言う発想もありますが、これは水っぽくなりお勧めしません。
赤ワインは15~18°前後、白ワインは7~13°くらいの範囲で飲むと美味しいでしょう。またボージョレーヌーヴォの様な軽い赤ワインはむしろ若干冷たい12,3°で飲んだ方が鮮度もあり、楽しめると思います。シャンパンは5°~7℃が良いと思います。