2021/10/20 05:46
ワインの酸化防止剤について
ワイン好きの方からビギナーの方々の間で話題になる“亜硫酸塩(SO2)”いわゆる二酸化イオウについてです。
ワインに添加の目的は,①酸化防止 ②殺菌 ③ワインの色の安定化等です。
①は果汁段階、熟成過程における酸化防止 ②は野生微生物(酵母など)による汚染防止
③はポリフェノール注出促進による果汁の色の安定化などです。
日本では350 ppmを許容使用量と食品衛生法上で決められており、この基準は米国と同じです。
恐らく平均すると1Lあたり、70~90 ppm 前後が添加されていると思われます。
よくフランスワインのラベル表示にSO2を含むと表示されていないので、フランスワインは無添加!だと考える人がいますが、表示義務がない(当然ワイン生産工程で添加すべきものと解釈されており)だけで、入っております。ほぼ世界中ワインに入っており、各国においても健康被害もないことが長年に渡り証明されております。
ただし、一般に食品アレルギーがあるように、この亜硫酸塩にアレルギーを示す方も居らっしゃると思いますので、そうした方は避けて下さい。
よくスーパーやデパートでも酸化防止剤無添加ワインと言うものが販売されておりますが
むしろそうしたワインの方が人為的なものを感じます。つまりSO2は自然の土壌や
ワイン醸造過程においても酵母からも発生します。米国、日本でも10 ppm /Lを超えるものは表示する義務があるのです。
通常酸化防止目的で添加されたSO2は数年も経てばワインの成分と溶存酸素と反応し
ほぼ0となってしまいます。減り方は、例えば成分分析表をみても分かります。
従い、通常のワインからビンテージワインまで、いつまでもSO2が含まれていると
思っていると効力も消え、存在もなくなっていると言うことですね。